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光吉猛修のOn The Crackin' DJ part2
Vol1
"Could Be"の出来るまで
-In this way, "Could Be" was made-
DJ2ホームページをご覧の皆さんこんにちは!
光吉猛修です。

本日から始まった「光吉猛修のOn The Crackin' DJ part2」の今日は
第1回目。 という訳で、最初のコラムは今回のゲームで日本語の
歌詞としてエントリーされた
「"Could Be"の出来るまで」と題して、
どうやって作られたかをご紹介しようと思います。
【2000年11月16日】
今回のプロジェクトでは、キャッチーな曲を入れよう、と言うサウンドを作る上でのコンセプトを掲げていました。
そして、そんな代名詞的な曲を1曲作ろう、と言う目論見は
この時点から沸々と湧いていた訳ですが、まず最初に作るにあたって
参考にしてみて、とHiro師匠(以下師匠)の方から提示されたのが、
実は、"Crush On You"の原型になった曲だったんですね。
とりあえずこの曲を聞いて、
まずは作って見たのがこのバージョンです。

1st Version
 


バスドラムの四つ打ちは、Crush On Youを彷彿とさせますね。
ここが師匠の指示した「参考」にした部分で、
後は自分の中にあった、
インコグニート風、というテイストを勝手に入れた結果、
この様になってしまいました。本コラムでは違いを分かって頂く為に
あえてサビの部分のみの試聴になっていますので
このバージョンではわからない部分なのですが、サビ以外は現の
"Could Be"とは全く違う曲になっていました。
しかし、「Could be,May be」の部分は逆に言えば最初から
ここまで形として出来上がっていた、と言うのも見逃せない点では
ないかと思われます。
「Could be」というタイトルが先に出来ていたのもこのメロディーを
思いつく要因としては大きかったかもしれません。
光吉的には思いついたメロディーが形を変えずに最後まで
通ってしまう、というのは良い傾向でして、デイトナの
"Let's Go Away"も同じ様に作り始めからあの部分だけは
変わらずに最終的に残った、という経緯があります。
とりあえずヒットメーカーへ移籍して来て、新しく購入した機材の
ウォームアップも兼ねての記念すべき移籍第1曲目がこれですね。
いやいや、懐かしい。
【2000年11月21日】
しかし、この出来あがった曲では、いまいちDJ2っぽくない、
と言う事で、これも師匠から、
「やっぱりハネさせた方が(Hiphop)ぽいんじゃん?」という事で
この曲をそのままハネさせてみたのが次のバージョンです。

2nd Version 

いきなり、今の形に近づいてきましたね。
ハネさせた事でテンポも遅くなっています。
でも何か物足りない、と言うか、音的に寂しいですよね。
とりあえずハネさせたは良いものの、
ここでHiphopらしさの 一つである、音色を格好良く汚れさせる、
と言う部分が抜けている訳です。
通常、Hiphopの音の汚さは得てしてわざと作り出された
ものではない場合がありますよね。
本当にチープな機材しかなくて、頑張ってもこの音質、
みたいなものが実は「おおおぉぉ、超クール!」という結果を
もたらす場合もある訳です。
今回はそれをあえてやる、と言う、今までやってきた仕事
(チープな音源でいかにゴージャスに、そして高音質に聞かせるか)
とは正反対の作業にのめり込むことになりました。
お気づきの方もいると思いますが、
まだこの時点では歌詞が出来ていませんので、
曲自体は歌のないインスト状態で進めました。
が、私の頭の中には
「クッビ〜、アンメイビ〜」の部分は完全にフィックスされていた訳です。
【2000年12月11日】
あれから1ヶ月弱、スケジュールが否応なく進んで行く中、
"Could Be"だけ作っていれば良い訳もなく、
他の作業、作曲、アレンジもだんだん過密になってきました。
実は、上記した「格好良く音を汚す」という作業で
"Could Be"が1番遅れをとっていたのです。
この曲、どうやったらもっとクールな感じになるかなあ、
と悩んだあげくにとりあえず作ったのが次のバージョンでした。

3rd Version

どうですか?ちょっと汚くなったでしょ?
リズムの裏にかすかに歪んだブレークビートを混ぜ込んでみると、
何と、それっぽい感じの音になってきましたよ!
実はここまで、自分の中ではいわゆるブレークビートで
グルーブ感を出す事に抵抗していました。
打ち込みだけで、出来るはず!そう信じてやってきたのですが、
Hiphop自体、音ネタ勝負的な部分もある、という事に気づき、
ダメだったらやっぱり打ち込みで頑張れば何とかなるさ、
的ないつもの楽観主義的発想でやってみると、
それっぽくなってしまった訳です。 ここからは早かったですね、
コツを覚えたと言うか、この感じでドスドスやったれ!
みたいな感じで進めて行きました。
ちなみにサビ前のドラムのフィルは光吉節って感じでしょ?
どうですか?つい手数が多いドラマーになってしまうのは
いつもの癖ですね。
ベースもサビの前に「ドゥウウウン」とスライドを入れる事で
「いっせーのせっ!」的な役割を果たしています。
ただ、この部分のドラムのフィルですが、
ちょっと気持ち悪いですよね。
実はこのバージョンはあえてそうしたのですが、
曲がハネているのにフィルだけはハネてないんです。
通常の曲作りにおいては御法度なのですが、
トリッキーな感じをこういうアプローチで出すのもアリかな、
と思ってフューチャーした結果、
あえなく師匠の前に玉砕してしまいました。
ちなみに、曲の最後に出てくる「ゴオン」という人の声は
ラップの声がたまたま紛れ込んでしまいました。
ご愛敬、という事で。

【2000年12月12日】
だいぶ曲の感じがつかめて来たので、そろそろ歌を入れて
最終的にはどんな感じになるのかを確かめる必要がありました。
そこで、歌詞を作る、という作業に入る訳です。
サビの部分だけですが、歌詞は以下の様になっています。
それでは曲を聞きながらどうぞ

4th Version

Could Be(Could Be)
May Be(May Be)
そう言って はぐらかす (Tell me)
Could Be(Could Be)
May Be(May Be)
わかってる はずなのに (Tell me)

ここだけだと全然意味が分かりませんね。
歌詞の内容としては、Could Be、
つまり「多分ね」という意味をもつ曖昧な答えしかしない彼女が、
本当に俺の事好きなのかなあ、あれ?
何だよ、今日も待ち合わせにおくれて来てんじゃん、
おいおい、頼むぜ、まったくよう、あ、来た来た、
何だよ、おせーじゃん、って言おうと思ったら、何でお前が
ブスくれてんだよ、「ゴメーン、待った?」とかさ、無いワケ?
んだよぉ、まったくよぉ、俺の事本当に大事とかさ、つまりさ、
その好きとかさ、まあ、愛してるの?までは言わないよ、
とりあえず恋人っていう感じ(だと俺は思ってるんだけど)だしさ、
で、どうなのよ、好きなの?言ってみ?さあ、早く。
Could Be?多分、ってどういう事よ。
え?それってさ、つまりさ俺がお前の事、
嫌いになれないからって言う絶対的な自信から来るわけ、で、
そうやって曖昧な返事してんじゃねえの?
絶対、そうだ、ぜっっったいそうだねー。超ムカつく。
更に俺のそういう気持ちを読まれてんのがさらにむかつくんだけど、
んん、もう良いや、とにかく遊びにいこうぜ。
ああ、惚れた弱みかなあ…という内容です。長かったすね。
いずれにしてもタダのラブソングにしたくなかったので、
ある若いカップルの日常の一コマを切り取った、
っていうライトな感じにした結果、こういった内容になりました。
歌に関してはサビの前に勢い余って「Come on」とか言ってます。
実はこの時期、花粉症の前哨戦と言う訳でもないのですが、
鼻水がひどくて、常時鼻声、
という状態で歌入れになってしまいました。
何となく、バイリンガルっぽいかな、と良い方向へ考えていますが、
いかがでしょうか?
このバージョンはそう言う事でかなりラフな歌になっています。
バランスも厳密にはとっていませんし、私の生に近い状態、
カラオケで歌ったらこんな感じ、っていう歌になっています。
【2000年12月19日】
ここへ来て、曲としてはかなり形になってきましたが、
もう少し「いじりたいな病」が発症されて来ました。
これはハマるとかなり危険な病気で、今まで何度と無く
この病魔に犯されて、
「やっぱり最初のバージョンが一番良かったかも」という後悔と
懺悔を繰り返してきましたので、ここは学習効果を発揮して
「サビの部分のみにしよう!」そう心に決めてバッキングの
ローズピアノのコード進行を少しJazzyにして見ました。
自分的には少し、悪ガキと言うか、夜のイメージというか
そんなテイストが入ったのではないかなと思っています。
ジャケットの雰囲気にも大分近づいた気もしますね。
それではこのバージョンをお聞き下さい。

5th Version

あの、気持ち悪いドラムフィルも消えてますね。
さあ、そしていよいよ最終バージョンです。
【2001年1月25日】
年が明けて、ここで前回のバージョンから約一ヶ月後、
楽曲としてのファイナルを迎えました。
ここまで一月かかってるのは、
他の楽曲の作業や歌を録音する(実はもう一度、歌を録り直しました)
タイミングを見計らった為です。
聞いていただくと分かるとは思いますが、
音量のバランス、声の音色等、かなりすっきりしていませんか?
最終的なミックスダウンをして要は音楽CDとして出すつもりで、
一からすべてのバランスを取りなした結果です。
本ホームページではモノラルで音質も下がっていますので
本来の音質を聞いていただけないのが残念ですが、
皆さんの「CD化要望計画」が発動されれば
ハイクオリティーバージョンがお届け出来る日も近くなるでしょう。
よろしくお願いしますね。
ではお聞き下さい。

Final Version

【2001年1月29日】
あー!やっと終わったー、そう思ったのも束の間。
この曲を今度はゲームの中で使う為に
リミックスしなくてはなりません。
曲を作る前に、「このリミックスの作業で、キューイングとか
カットインを入れなくてはいけないから歌のメロはなるべく
伸ばさないで短く切った方が良いよ」と師匠からアドバイスを
受けていましたので、そういう作り
(メロディーが切れ気味なのはそういう訳です)にはしていましたが、
いざ切り張りをするとなると、「うわ、ここは切れないや」ですとか
「切りたくねぇ〜」と言った思い入れによるメロディー切断拒否症状が、
この曲のリミックス作業をさらに困難にさせていきました。
が、結局、Could Beは初級レベルと言うこともあり、
カットインやキューを必要以上に入れる事も無かろう、
という事で残せる部分は残して歌の無い部分でそう言った
トリッキーなリミックスをする事で何とか、
楽曲としても楽しめる形へと収まって行きました。

Remix Version

このドラムのフィルって本当は1回だったんだ、とか、
今までの流れを見ていくとわかりますよね。
それと「クッビー、アンメイビー」のバックコーラスも楽曲レベルでは
メロディーと掛け合いだったのですが、リミックスの段になって
スクラッチを入れる関係上、どうしてもメロと一緒にコーラスを
出さないと逃げ場が無くなって、
この形になっているのも見逃せませんね。
「Tell me」のコーラスも素材として声だけのものを作って
入れ込んでいます。
やっぱりリミックスすると曲の感じが大分変わるものですね。
非常に面白い作業でした。

いやいや〜
「Could Be」完成の長い旅がようやく終わりましたね。
ここまで読んでくれた皆さんお疲れ様でした。 と、
本来なら労いの言葉が飛び交うはずですが、
実は作業はこれで終わらなかったのです!
ここでやっと「曲」としての完成をしただけであって、
これからゲームの中で遊んでもらうための作業が始まるのでした。
具体的には、カットイン、キューイング、スクラッチの
指示シーケンスの作成、と言うゲームの難易度に関わる部分、
そして、怒濤のSuper Remix Version、
スクラッチ音のセレクト、バランス調整、等々もー やめてー!
と言わんばかりの高密度な作業が続いて行くのでした。
では、Could Be最終形態をお聞きしながら、
お別れしたいと思います。
このコラムをお読みになった方は是非、実際のゲームでも
"Could Be"をプレイしながら、ああ、この部分って
去年の冬に光吉はこうやって直していたんだなあ、
と干渉にふけっていると"Miss Out!!!"になってしまいますので、
心して(そんなに難しくはないですが)やっていただきたいと
思っております。

それでは

"光吉猛修のOn The Crackin' DJ part2 Vol1
「"Could Be"の出来るまで?
In this way, "Could Be" was made.?」"
でした。

See you soon!Bye bye
2001.6.27