今回も「インタビュー」や「データダウンロード」などのスペシャルコンテンツを用意!
今後も色々”おもろい”ネタを考え中!

 
CT3開発者座談会 

発売まで約一ヶ月に迫った「CRAZY TAXI 3 High Roller」!
開発の作業もやっと落ち着きました。と、言う訳でチームの主要メンバー集めて広報のボス猿、私、笹原が聞いてみましたよ。専門誌では語らない(語れない)重箱の隅な話も満載です。


メンバーは
■クレタクシリーズプロデューサーのお馴染み、菅野“CRAZY”顕二
■初代〜3まで全てのMAPデザインを手がけた、岩瀬“得意技はラ・マヒストラル”岳夫
■ヒットメーカーきってのモーションデザイナー岡野“燃料はアルコール”悟
■ヒットメーカーのプログラマーの猛者を率いる部長、苑田“鼻歌はおさかな天国”良博
■初代からメインプログラムを手がけてきた男、伊藤“携帯ストラップはピクミン”雅朗
以上のヒト達。

それでは第1回行きますかーー!

第1回 


■CT3開発者座談会・第1回

―― えー普通に始めますが(笑)なんでXboxだったんですか?
一同 (笑)
菅野 ・・・もうやめようよ〜。
岩瀬 売れると思ったからとか言っておけばいいじゃん。
岡野 金だ、金とか(笑)。
一同 (爆笑)

―― 普通に聞いた俺がバカだった(笑)。まあ何度も聞かれてるからな。じゃ、ハードがXboxってことで、他のみんなはどう思った? 期待や不安が各々あったと思うんだけど。
岩瀬 基本的にはやってみたいっていう気持ちはあったけど、なにもわからない状態じゃない?人に聞いても「うーんどうなんだろうなぁ」っていう感じだったし。

―― 今回の開発って一年かかってないんだよね。8ヶ月とか。
岩瀬 だってそうしろって言ったんじゃん!
一同 (苦笑)


■プロデューサー:菅野 顕二
■デザイナー:岩瀬 岳夫
■デザイナー:岡野 悟

―― それは誰が(笑)?
菅野 すいません、俺、俺(笑)。だって、最初はローンチ(※1)に合わせられる?って言うんだぜ。誰とは言わないけど(笑)。しかもUSのローンチだったら11月だよ!そんなの無理だって(笑)!!

―― 岡ちんは?
岡野 大変だろうなぁと。MODEL3とかHIKARUとか(※2)ね、いろいろやってきたからさ。あぶねぇなーって。
苑田 でも、MODEL3・HIKARUよりはやり易かったんじゃない?最初にしては。

―― (笑)伊藤さんは何か思い出してる顔だな。
伊藤 うーん、もっと楽だったハズなんだけどな〜(笑)あと、初めてのPC系の思想のハードだったんで、そのあたりはプログラマーは戸惑ったんじゃないかな?

―― ほえー、そうかあ。じゃ、菅ちゃん、Xboxで『クレタク3』を作るにあたって、ズバリコンセプトは?
菅野 集大成だよね。1、2って作ってきて、特に2は時間がなかったからね。まだ作り足りない感が強かったから、その辺を3では解消したかったなと。とにかくボリュームを増やしたかったし。
一同 ボリュームかぁ・・・(なぜかみんな遠い目)。
菅野 最初は1と2のコースを昼・夜の両バージョン作って、新キャラも入れない予定だったんだよね。でも、せっかく新しいタイトルだから「新しいコース作って、新キャラも入れようぜ」って言ってきたのはみんなから出た案だから、自分で自分の首を絞めたところもあるんじゃないかなぁ?
岩瀬 でもさ、1と2のコースっていっても、ほとんど作り直してるから・・・。
菅野 そうだよね、ほとんど新規なんだよね。
岩瀬 最初の流れで作ってても時間はかかってたかもね。
苑田 みんなだんだん心が沈んできちゃったね・・・
一同 ・・・。
苑田 記憶が新しいからね。生々しいな(笑)。

―― みんな沈むなよ(笑)。基本コンセプト以外にもエフェクトとか5.1chとか新しい部分もあると思うんですが、そのあたりについてはどうですか?
岩瀬 エフェクトは絶対入れたいなと思ってました。今までも入ってたんだけど、ぜんぜんわからない程度のものだったからね。なにかしらプレイヤーが操作したことに対してリアクションを絵的に見せてあげたいっていうのはすごくあった。
苑田 ソフト側からは、夜どうしようかな? っていうのがあって、ただ暗くするだけじゃダメだよな。ってのはわかってたんだけど、デザインからの要望もあって、窓明かりとかグローエフェクトとか入れてみたんだよ。その辺は見栄え的に映えたからよかったかなと。5.1chは一般的にどれだけ普及してるかわからないけど、フィールドの空気感、あちこちで客がしゃべってたりとか、車が通り過ぎる感じとか、そういう空気感がうまく表現できたかな?


■プログラマー:苑田 良博


■プログラマー:伊藤 雅朗


―― なるほどね。
伊藤 あ、話し変わるけど、よく車に詰まったりとか、はさまれたりとかがうっとおしいって意見があったから、裏技じゃないんだけど、新技をふたつ加えました。まず、バックダッシュが簡単に出せるようになったのと、車や柵とかにぶつかってもすぐ脱出できるジャンプ技を加えました。柵だけにサクッと抜けられます。
岩瀬 あれはすごくいいね。
伊藤 ためしに1日で作ってみたんだけど、すごいよかったので即採用(笑)。

―― 今回の新コースがラスベガスになった理由は?
菅野 やっぱり、みんなが知ってる地域で、サンフランシスコ、NYときて次はどこかなぁって考えたら、ラスベガスが一番わかりやすいんじゃないかなぁと思って。一応、他もあるけど、いまいちピンとこなくてさ。あと、夜のステージは以前やってみたかったし、一番華やかな街でまわりに自然もあって、起伏に富んだステージもつくれるから、面白いんじゃないかな? と思って。

―― そういや、今回は初めて現地取材にいったんだよね?
岩瀬 それは、デザインサイドから「行ったほうが絶対いいよ」っていう声もあったし、同じものを作るにしても、そりゃ行ってないより行ったほうが、確実にいいものができると確信があったからね。

―― 3ステージ分、行ったんでしたっけ?
岡野 んーと、2エリア。ラスベガスとニューヨーク。
岩瀬 行かなかったウエストコーストに関しては前作での評判も高かったしね。

―― 前に、SOA(セガオブアメリカ)に出張でいったときも「あのコースは本当に現地取材をしないで作ったのか?」って驚かれたしね。あの公園はあそこだろ?とか(笑)。

※1:ローンチ
新製品などを世に出すこと。この場合は“X−box本体のアメリカ発売と同時に”ってこと。そんなの無理に決まってる・・・。

※2:MODEL3とかHIKARU
セガ開発のアーケード用システムボードの名称。ヒットメーカーで言うと「バーチャロンフォース」、「エアトリックス」等がHIKARUで開発。「オラタン」等がMODEL3で開発された。開発当初は相当苦労したんですねぇ。



予想通り本音トーク炸裂。
次回からはステージの話に触れていきます。まずはグリッターオアシスのお話。ここでしか聞けない話もあるから期待しててね。

 CRAZY TAXI 3 High Roller
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