小川: |
それではニンドリ100号記念のサントラに沿って、話を進めていきましょうかね。まずは、PSO エピソード3 メインテーマのお話を。
(※小川追記録 No.1※)
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床井: |
はい。タイトルが『LET THE WINDS BLOW』。
直訳は『風を吹かせてみろ』という意味なんです。が、本当は『自分で何かを変えろ』という意味ですね。
今回のCDに入っているこの曲は、ニンドリ専用のスペシャルエディションなわけです。で、
これがポーランド(※3)で収録してきました。
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小川: |
ポーランドね、ポーランドの話もいろいろあるんですよ。
僕が行けなかったんですよ、丁度E3(※4)対応が忙しくて。
それで中さん(※5)に1人でソニックチーム代表として立ち会ってもらったわけです。…しかし、ゴージャスですよね。
最初、打ち合わせのときは、「オーケストラで録りたいんですか?」と幸崎さん(※6)に言われて「そりゃ、エピソード1&2も録ってるし…。出来れば違うムードで録りたいです!」と答えたんですよ。
そしたらこんなゴージャスなとこで!?っていうのが決まってて。
中さんからも「小川、すごいところで録るね〜。」と(笑)。
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床井: |
色々探してたんですよ。日本でも。
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小川: |
僕も絶対に日本だと思ってましたもん、最初。
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床井: |
僕も最初そうだと思ってました。で、声だけイギリスかと。
そしたら天野さんという指揮者の方が、ポーランドでずっと常任指揮者をやっておられて、それならこっちでやった方がクオリティー高いよと。
で
、もう1つの理由に欲しかった声が日本に全然いなかったんですよ。一人たりとも。
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小川: |
出た、ボーイソプラノ(※7)ね。
デモ曲を聞かされてたときに、「ボーイソプラノで行こうと思うんですけど」って聞いたときは、すごく感心したんですよ。いいセンスだなぁと。
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床井: |
あら、それは初めて聞きました(笑)。
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小川: |
そのアイデアは良いと思いましたもん。床井さんと何回かやりとりして持ってきてもらったメインテーマなんですけど、最後に上がってきたやつはよかったですよ。
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床井: |
あれ、かなり気合いれましたもん。
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小川: |
大体、その後アレンジしてもらってオーケストラで録ると、さらによくなる事が多いじゃないですか?
だから、デモ曲の段階であのぐらいっていうのは、かなり期待してました。おかげで良いものが出来てきたんですけどね。
ただ、ひとつ残念だったのはピアノ!
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床井: |
言ってましたよね〜。
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小川: |
床井さんの作ってきてくれたデモ曲では、出だしのピアノがすごく良くて。
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床井: |
あれはですね、スタジオ録音的なもので作ってるからなんですよ。なので今回はホールで録っているんで、どうしてもピアノというのは
ホールの一番端の奥に配置せざるを得なくて…。
それこそ大きい音で録ろうとすると、いきなりバランスの悪いすごい強いタッチで弾かないと…ってことになるので、曲がちょっと壊れちゃうんですよ。
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小川: |
床井さんバージョンも聞かせてあげたいですよ。
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床井: |
マジですか!?
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小川: |
出だしの部分だけでも、ほんとに。
この出だしのピアノはデモ版の雰囲気の方がよかった(笑)。
(※小川追記録 No.2※)
でも、全体的な出来に関しては、オーケストラを使ったおかげで壮大な感じと広がりがでて、かなり良かったですね。
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床井: |
あの音はコンピューターに慣れてる僕らの音とはやっぱり違うなと思いましたね。
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小川: |
今度やりましょうよ。
ウェーブマスターさん主催でPSOシリーズのコンサート。
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床井: |
あぁ、管弦楽団・吹奏楽へのアレンジは面白そうで興味ありますね〜。
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小川: |
いつか出来るといいですね。生で聴くとやっぱり全然違いますからね。
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床井: |
でも、ボーイソプラノ担当のクリスくんはかわいそうだった。オーケストラの演奏の中
、一人だけで歌うという作業だったんですけど、声がやっぱり細いし、あのオケの圧倒感に全部消されてしまって。
こりゃレコーディング出来ないなと。なので最後居残り(笑)。
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小川: |
指揮のみで居残り録音。少年なのに(笑)。ビデオでみましたよ。可哀相だった。
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床井: |
最後はかなりヘロヘロになりながら頑張ってくれてましたね。
今回の特製CDに付いているのはインストバージョンなんですけども、12月10日に発売されるサントラCDアルバム本編の方にはボーイソプラノ、クリスくんの歌っているバージョンが入っています。
…でもこれ実は2度目の収録の声なんですよ。
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小川: |
バージョン2なんですね。
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床井: |
そうなんですよ、バージョン2なんですよ。
1度目はどうしても声が緊張していてですね、すごく小さめだったんですね。ひょろ〜って感じで。
なので2度目を歌っていただいたら、すごい練習してきてくれたようで、えらい上手くなって帰ってきてくれたという。
すごい力強かったし、ファイルが届いたときにはみんな「お〜、すごいじゃん!!」、「やればできるんじゃん!」と。
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小川: |
1回目はほんとかわいそうな感じでしたもんね。
わざわざ、収録して日本に戻ってきて編集してもらったんですけど、聞かせてもらって、ダメです!ってダメだしして、取り直してきてもらいました。
PSO EP3
トライアルは間に合わなかったのでバージョン1を使用しています。なので、お持ちの方は製品版と聞き比べることができますね。持ってる人のお楽しみということで。
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床井: |
そんな楽しみ方も実はあったり(笑)。
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小川: |
そうそう、今回のニンドリのサントラの曲選考は僕がやらせてもらったんですが、あ〜こう、あ〜こう、すっごい忙しい中(苦笑)。死ぬかと思うくらい、あ〜こう
、言ってやってもらって。
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床井: |
そんなにその作業に割く時間あったんですか?って聞きたくなるぐらいの、無い時間を削っていただいて。
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小川: |
夜の3時に家に帰って5時6時まで聴いて、朝、会社に出社してから電話で「やっぱり…」みたいに。
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床井: |
「最初にいただいたCDは5回聴きましたが、やっぱりあのラウムの神殿を…」みたいなやり取りを
ね。
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小川: |
通して聴くと30分近くありますからね。5回も6回も聴くとそれだけで3時間とかかかっちゃう。泣きそうになりながら聴いてましたよ(笑)。
最初、収録タイトルのリストを軽く出したときに、このメインテーマは、「声なしバージョンを入れる」と聞いて、実はちょっと心配したんですよ。
以前、声なしバージョンを聴いたときにはアレンジもされてなかったので、「ほんとに大丈夫かな〜?」と。でも、結果はバッチリでしたね。思ってたより全然良くて安心しました。
「声なくても全然良いや!」と。
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床井: |
スタジオで頑張りましたからね。かなり時間かけてやりました。一部分、声が無いと成立しない箇所もあるんですけど、それでもかなり聴ける曲になっ
てたんで、今回は特別バージョンということで。
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小川: |
声が入ってると、やっぱり声に少し引っ張られるんですけど、本当の持ち味というかオーケストラの凄さが
、この声なしバージョンには出ていて良いなぁと。
よかったですよ。「これだけでいいじゃん!」くらいの感じでしたよ。
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床井: |
ありがとうございます。
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