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またしてもラグオルに降り、騒動を起こすガルス博士と、一応以前ガルス博士捜索の請負者タカネのお話。
笑うのか笑えないのか微妙な話ですが、読んでくれれば光栄です。

「タカネタカネ。」
と、タカネと呼ばれる緑1色の服を着た赤髪のフォニュームに声をかける巨体のレイキャスト。
タカネというフォニュームは椅子の方向をレイキャストに向け、少々うんざりしたような顔になる。
「なんだい?」
「ほれ、まだ金が揃ってないんだろ?」
「そうだけど。」
うんざりした理由は、ある事情でメセタ全額を喪失してしまい、資金稼ぎでストレスが少し貯まっている、ということだ。資金を稼がなければ彼は飯を食っていく事が出来ない。そうなれば、彼の祖父の飯を作ってあげることもできない。いわば、財政が火事なのだ。
「と言う訳で、俺がクエスト持ってきてやった。まぁこれも頼みだったからな。」
資金稼ぎのために複数のクエストをこなすと同時に、ラグオルに降り、金目になるものを収穫する日日。ラグオルに降りるものの、やはりクエストのように収穫が良い時が多い訳ではない。
かといえ、ハンターはたくさんいる。祖父の飯を作る為に日帰りのクエストなど、大抵他の者が先に取る。
「うん、サンキュゥ!最近金が貯まらず、カリカリしてたからね。助かるよBATTLE。」
そこで、BATTLEと呼ばれたレイキャストにもクエストを探してもらい、それを引き受けることにした。
「ほれ、今回のクエストの内容はこれだ。」
と、一枚のカードを差し出すBATTLE。タカネはそれを受け取り、早速「どれどれ?」
見ることにした。因みに、内容は。

『ガルス博士が「二度とやらない」と誓ったはずなのに、またラッピーに紛れてしまった!どうか親切なハンターさん、再びガルス博士を』

全てを見終わる前に、いや、半分行った辺りでタカネはそのカードをあらぬ方向へ投げ飛ばした。
「ああっ!何しやがるテメェ!」
後ろで見ていたBATTLEは怒る。
「いや、あのおっさんのことだからやりそうな感じはしてたけど・・・同じクエストだけは勘弁してくれ・・・」
過去の記憶を思い出したようで、少しげっそりするタカネ。
何でも、ラッピーと変わらないヌイグルミを着ているため区別がつかない上、ラッピーも異常なまでに出現していたという。その中から本物を探すのに半日近くかかったとは本人の弁。
「とはいえ、お前の爺ちゃんも腹空かせてるんだからこの際文句いってられんだろうが!」
物事の本心を突きながら、憤慨するBATTLE。
「う・・・わかったよ。君の恩を仇で返すわけにもいかないし・・・やるか・・・」

やる気なさそうに、カードが飛んでいった方向に歩むタカネ。


「ああっ、貴方は何時ぞやのフォースさん!また引き受けてくれるのですね!ありがとうございます!」
大袈裟に反応を示すガルス博士の助手。しかし、顔にはまだ博士の奔出に対して驚いている顔だった。
「前はやらないと誓ったのに・・・もうしわけありませんが、あの馬鹿博士に戻るように言ってください!」
仮にも博士号を持っているガルス博士に対して、不遜な言葉を口にする助手。
最も、彼だけでなく、ガルス博士の下に働くものは影でそう叩きあってるらしい。
「OK。僕もあの馬鹿博士にはすっごく恩があるからね。今回のクエストで全て払うつもりで取り掛かるよ。」
タカネもだった。


森に夕日の日差しがかかる。もう夕暮れではあるが、まだ明るい。そばに流れる小川に光が反射して美しく光る。ラグオルの大地に降りたタカネは、まず体の屈伸を始めた。彼に言わせれば、屈伸は気合を入れる為の運動らしい。それが本当かどうかは謎だが。両手を握り合わせ、それをそのまま上に引っ張り上げるかのように体全体を伸ばし、三秒後放す。次に、左右の腕を反対方向に伸ばし、体を張る。
「う〜・・・・しぁ!」
気合が入ったらしい。屈伸運動が終わった後、マグのナラカと彼の愛用するダブルセイバーを持ち、準備を整える。
「さって、黄色でもこもこのふかふかの人形を着たガルス博士の捜索開始っと・・・」
近くにあった小川に足を入れ、音を森の中に響かせる。

そもそも、なぜガルス博士がラッピーという種族に対してあれだけの好意を抱くのだろうか。
確かにラッピーは飼いならされたものなら、民間人のペットとして飼われる位人気がある。かわいい、柔らかい、ふかふかしてると三拍子が揃ったラッピーではあるが、野生のラッピーの中で一部はその哲理を裏返すかのように、凶暴だ。単数ではなく、複数で襲い掛かる為、生半可なハンターならあえなく敗退する位だ。ペット用と野生は違うのだ。
(なら、ペット用のラッピー買って、自分の家でラッピー天国作ればいいのに)
と、タカネは考える。凶暴極まりないラッピーがいるのに、共に暮らして何か良い事はあるのか。それがわからない、とも考えるタカネ。全てはラッピーについての権化、ガルス博士に会えばわかることなのだろうか。