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初めてマイキャラを主役にした作品です。
実はオンラインでプレイしたことが無いので、今度オンラインデビューしたいと思います。
そのときは見かけたら仲良くしてやって下さい。
まじで!(四之宮) |
「なんであの時レスタかけてくれなかったんだよ!」
「仕方ないだろ!こっちだって忙しかったんだよ!」
ラボルームに響き渡る激しい言い争い。
彼らは先ほどVRシステムによる神殿エリアでの試験をクリアしたばかりだ。
「ムサシ!レスタ使えるのはお前だけなんだからサポートしっかりしろよ!」
「僕はヒューマーなの!チップスこそレスタ覚えろよ!」
「二人ともやめろみっともないぞ。」
「クロウはだまってて!」「クロウはだまってろ!」
二人に同時に制されてなにも言わなくなるヒューキャスト。
しだいに周りには人々が集まりだし、最後にはラボの責任者であるナターシャチーフが彼らを制した。
三人は場所をラボの談話室に移し、今度は穏やかに話し合うことにした。
「僕たちってバランス悪いのかな?」
「戦闘の最前線はムサシとクロウが行く、オレは後方からの援護射撃。そしてオレとムサシの戦闘技術不足をベテランのクロウが補う。いいんじゃないか?」
「ムサシとチップスがもう少し強くなってくれりゃ問題無いメンツなんだがな。あいにくお前らはまだ敵からダメージを受けることが多い。」
ベテランハンターの言葉に二人は言い返せなかった。
しかし、これを教訓に努力を惜しまない二人だからこそクロウは共に行動するのだ。
「ムサシがサポート役まで背負い込むのは正直きついと思うんだが。」
「そうでしょ?だからチップスもレスタ覚えなよ。」
「ええ、めんどい。・・・うそうそ!でもオレがサポートするのもきついよ。」
確かにムサシとチップスがサポート役まで請け負うのはきついだろう。
クロウはアンドロイドであるために、やはりサポートは難しい。
さっきの試験もそうだ。
次々と現れるエネミーに苦戦し、消費アイテムはどんどん減り、バルバレイ戦はチップスが逝ってしまいそうになったのだ。
それならば、先に控えるVR宇宙船でのテストの為にも準備が要る。
三人の意見は一致した。フォースが必要なのだ。
ここはギルドカウンター付近。
多くのハンターズが現れるこの場所で、彼らの勧誘劇が幕を開けた。
「あっ!チップス見てみて!あの人はどう?美人だよ。」
「おいムサシ!こっちにも可愛い娘がいるぞ!」
クロウは呆れた様子で聞く。
「なにしてんだ?」
「狙いを決めてんだよ。せっかくだから可愛い娘と知り合いたいだろ?」
「クロウも探してよ、ほら。」
言われるがままに周りを見るクロウ。
周囲から見れば、周りをキョロキョロしては騒ぐこの三人組は怪し過ぎた。
しばらくして、ついにムサシが動き出す。
「僕、あの人を勧誘するよ。」
指し示した先に見えるのは、スマートな体に腰まで伸びた綺麗なストレートヘアー。お姉さんといった感じの美人のフォマールである。
ムサシは勢いよく向かっていったが、緊張は隠せないらしくアンドロイドよりも固い動きだった。
「あ、あの・・・ちょちょっとよろしいですきゃ?」
ですきゃ?ってなんですきゃ?と思いつつもムサシの戦いを見守る二人。
「あら、なにかしら。」
「えーと・・えーとですね・・・実は・・・」
綺麗な声のフォマールは笑顔で言った。
「もしかしてナンパ?ごめんね、私、自分より背の低い人はお断りなの。大きくなってからまたおいで。」
ムサシはひどくショックを受けたらしく、力無く二人のもとへ戻った。
確かに彼は背が低い。
精神的ダメージはそうとう大きいようだ。
チップスは、今にも倒れそうなムサシを抱え励まし続けた。
「しっかりしろ!今度はオレが行って必ずお前も気に入る娘を仲間にしてみせるぞ!」
そういってチップスは駆けて行った。どうやらもう相手は決まっていたらしい。
「お嬢さん、失礼ですがちょっとよろしいですか?」
紳士の様な振る舞いで話し掛ける。
相手はピンクのショートヘアーにポンポンのついた帽子が似合う、ふわっとした感じの可愛いフォマールだ。
「今人と待ち合わせ中なんですけど・・・」
「いえいえお時間はとらせません。」
いい感じかも知れない。クロウはそう感じた。その裏ではムサシが倒れていた。
しかし遠くからチップスに向かって走ってくる人物がいた。
ハニュエールだ。
そしていきなり飛び蹴りをチップスにかます。
チップスは4〜5メートル飛んだ。
チップスは正直言って太っている。しかしその巨体を飛ばすと
はなかなかの腕前だ、とクロウは感心してしまった。
「あたしの友達になにしようとしたのよ!メリル行こう!」
「う、うん。」
クロウは気絶しているチップスを担ぎ、抜け殻状態のムサシの
手を引きその場を後にした。
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