PSOみんなの広場





こうして地表に降りたマルシアは、三日間バイハというアンドロイドを探し続けた。しかしクエストを見たハンターズたちがマルシアを追って次々と地表に降りてくる。しかし、マルシアは決して他のハンターズを傷つけるようなことはしなかった。マルシアは追っ手の目を掻い潜りバイハを探し続けた。
そうして、セントラルドームが見えなくなるほど遠くまで来たときだった。前方に人影を見つけ、とっさに樹の陰に隠れた。その影は背が高く、腕も足も太いレイキャストであることが確認できた。マルシアは賭けにでた。

「お前、バイハだな!」

そのレイキャストはゆっくりとマルシアの方を向き、低い声で言った。

「・・・マルシア=ガイダンス・・・だったな。」

「お前がキラーバグウイルスの感染源だっていうのは分かってるんだ!しかも俺のことをクエストの標的にしたろ!」

レイキャストはマルシアの言葉に頷きながらゆっくり近づいてきた。そのレイキャストは間違いなくバイハだった。その巨体に似合った大きな銃を片手に持ち、喋りだした。

「俺を・・・どうしようと言うのだ?」

マルシアはひるまず言い返した。

「お前を捕まえてウイルスの治療法を見つけ出してやる。」

「確かに・・・俺の体内を調べれば・・・治療法は見つかるだろう。しかし・・・おとなしく捕まると思うか?」

そう言ってバイハは銃口をマルシアに向けた。

「ただ殺すのもつまらん。」

ドカッ!

突然マルシアの顔は、バイハの銃で殴られた。

「4年か・・・短いようで長かったな。ウイルスを作り出し・・・自分の体に隠し・・・あらゆるコンピュータやアンドロイドに感染させた。」

「なんてやつだ。アンドロイドが作ったウイルスだったのかよ。」

バイハはマルシアの腹を蹴り飛ばしながら言った。

「俺の本当の目的は・・・ウイルスを使いパイオニア2を支配し・・・ゆくゆくはパイオニア1の連中すら支配し・・・ラグオルの王になろうとも考えた。」

「ゲホッゲホッ!ば、馬鹿か。話がでかすぎるだろ。」

「俺は・・・本気だった。しかし・・・突然のセントラルドームの大爆発。俺の計画は中断されてしまった。まあいい・・・ならばパイオニア2を支配するまでだ。」

今度はマルシアのむなぐらを掴み2〜3m程放り投げた。

「アンドロイドにまで感染させたのは・・・俺以外のアンドロイドは必要ないからだ。そして・・・お前が犯人として捕まってくれれば・・・俺の計画は何の苦労もなく進むからだ。だからわざわざ総督府に嘘の情報を流した。」

マルシアはゆっくり立ち上がった。

「最低な自己中野郎だな。お前のせいでひどい目にあったんだぞ!銃で撃たれたり、ミオにまで信用してもらえなかったり、お前のせいだ!!」

「確かに・・・全ては俺が原因だ。」

「反省の色無しか。最後に聞くが、なんでそんなことべらべらと喋った?」

「冥土の土産・・・というやつだ。」

バイハは銃口をマルシアの頭に向けた。マルシアは覚悟を決めた。これまでの人生を振り返るかのように目を閉じた。

バシュウ!

銃声とともに倒れたのはバイハだった。マルシアは周りを見渡した。軍が自分たちを取り囲んでいる。バイハは素早く立ち直ったが、それに合わせて10発以上のフォトン弾がバイハめがけて飛んだ。バイハはそれでも持ちこたえ、奇妙な声をあげ、マルシアに飛び掛った。

「m里sm、%mmf&723b#$k4pc」

「ラフォイエ!!」

とっさにマルシアはラフォイエを唱え、バイハは爆発し、白い煙を上げ倒れこんでしまった。

「大丈夫か!」

マルシアに軍の兵が駆けつける。他の兵はバイハの体を回収していた。

「待ってくれ!そいつの体を調べればキラーバグウイルスの治療法が見つかるんだ!」

マルシアが叫ぶと、抱きかかえていた兵が言った。

「わかっている。君の研究室に運ばせてもらうよ。」

兵士はそういうと救護班とともにマルシアをベッドに乗せた。

「なんで俺の場所が分かったの?」

マルシアは不思議に思い尋ねた。すると答えは嬉しいものだった。

「ミオという人物が総督府のところに押しかけてね。君の無実を主張するので総督府がもう一度調べることを指示したんだ。君を見つけ出してみたら、なんと感染源はあのアンドロイドだから驚いたよ。」

マルシアは話を聞くと嬉しくて笑顔になっていた。


それから3週間が過ぎた。キラーバグウイルスの治療法はマルシアによって発見され、感染したアンドロイドやコンピュータの治療は全て終了した。

「マルシア博士ー!エルノアちゃんたちからメール届いてますよ!」

ミオが大きな声でマルシアを呼ぶ。

「なんて書いてある?」

『ウフフ。元気かい?君の見つけた治療法のおかげでエルノアもすっかり良くなった。礼を言う。それじゃあ。』

「えっこれだけ?」

マルシアが言うとミオがニコニコして言った。

「モンタギュー博士らしいですね。」

「そうかな。」

「エルノアちゃんも元気になったし、いいじゃないですか。それに今度遊びに来るって言ってましたよ。」

「そうだな。じゃあ俺はお仕事行ってきます。」

こうしてマルシアの平和な生活がまた始まった。                                             

END


前回の作品にも増して、とてもこった設定のストーリーでしたね!
起こった事件や、NPCキャラクターたちの役回りが、とてもPSOのそれらしく描かれていて驚きました!

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