Hitmakerのスタッフによるリレーコラムです ・・・ついに中川さんからコラムの順番が回ってきました。 プログラマの田邊と申します。で、お題は「俺とパソコン」？？ そーいえば最近になってようやくパソコン買いました。そーいうことか。 う〜ん、困った。パソコンについて語れることは少ないなあ。 あんまりコダワリもないしなあ。 だって、もし数式を書いた紙をヤギさんに食べさせて、そのとおりに動いてくれるならそれでいいじゃん、って思ってるくらいだし。プログラムの方法や道具より、人間が「おもしろい！」って思える動きや現象をを数字にしていく作業のほうが、ココロを解き明かしてるみたいで興味あったり。 よく僕が言う例えで、 「郵便屋さんはバイク使うけど、バイクマニアというわけではない」 ってのがある。 言いたいのは、道具としてバイク使うけど、一番大事なのは郵便物であって、コケそうなときは、郵便物を真っ先に守るような郵便屋さんであってほしいと思うってこと。いちゲーム屋としては、そうありたい。 もちろんバイクの知識も併せ持ってると、言うこと無しなんだけどねえ。 ああ、話がそれてしまった。パソコンでした。 じゃあ何でそんな奴がパソコンを今頃買ったのか。 それは今のマイブームがパソコンだったりするからで。 なんか「プログラマならＰＣをブームとして扱うな」、とツッコまれそう。 そもそもの始まりは、去年の秋に同期に連れられてマンガ喫茶に行ったのがはじまり。そこでいろんなネットワークゲームに触れる機会を得たのがキッカケとなった。 そのころ最初は「ネットゲーなんて現実逃避だ」とか「チャットめんどくせえ」とか偏見にも似た印象を持ってた。でも、作り手の意図を超えた行動を見せる他のプレイヤーキャラや、リアルタイムに行われていくイベント、複数の意識や価値観が作り出す仮想社会の形成など、ネットワークを使う事による「ゲーム」としての新しい可能性が見えてくるようになってきて、考えを改める必要性を感じてきた。 で、気がつくとマンガ喫茶で信じられないくらいの金額を注ぎ込んでいて、「だったらパソコン買ったほうが早いし安いし便利だし」ってことで購入。 それからは、暇があるごとにネットワークに接続しているんだけど、そこで気が付いたことをひとつ。 ネットワークのゲームにはほんの一握りのプレイヤーのみにしか許されてない「高み」があって、そこを目指して皆が切磋琢磨していくカタチがよくある。人間同士が競い合うことで、勝利もあれば敗北もある。 それは最初に感じていた「現実逃避」のイメージとは違い、たとえ頑張ったとしても敗北を受け止める必要があることがある。やり直しはできない。 まあ、その勝利のために現実の生活をおろそかにしてしまって、違う意味で「現実逃避」してる人たちもいるんだけど。いわゆるハイジン。 それに対して、いわゆるスタンドアローンのゲームでは、誰もが英雄になれて、誰もが最強の武器を手にすることができて、誰もが世界制覇できて、誰もがかわいい子を彼女にできたりする（作り手から見れば誰もがそうクリアできるようにしなければならない）ために、思い通りにいかないときにはその結果を受け入れずにやり直しができる。リセットボタンに手が伸びる。 そのリスクの有無がスリルの差に直結しているように感じられる。 それからはネットワークゲームに対する考え方や接し方が、去年の今頃までとまったく変わった。 ネットワークを使うと何が楽しくて何が問題になって、今後どうするともっと良くなるか。そんなことを知るいいキッカケにもなった。 これが今のところの「俺とパソコン」ってことになるだろうか。 こういう仕事についていると、自分の知識や興味ある分野、考え方などは今まで接してきたものや感じてきたもの蓄積なんだなって感じるときがある。 それには、自分から始めたこともあるけど、周囲の人たちから受けた影響も大きい。だから、こうやって他人が楽しんでる分野を理解しようとする気持ちは大切なんだ、と思う。 ということで、そう考えてる事を知ってか知らずか、最近、バイクやレースについていろいろと誘ってくる高橋（秀）くんに次回は語ってもらいます。 お題はそのまんま「俺とバイク」です。それでは、よろしくー。 ・・・でも、バイクの免許取得とか購入とかはもう少し考えさせておくれ。 <<　BEFOR ISSUE　|　NEXT ISSUE　>>

■田邊 雅彦（プログラマー） 「頭文字D」チームの理論派プログラマー、田邊さんでございます。 学生時代はロボット工学の勉強に明け暮れていたそうで「なぜ自動車工場の重いロボットアームがミリ単位で操作できるのか」を一生懸命教えてくれました（が、サッパリ解りませんでした）。 最近あらちゅうからレーシングスーツを購入したらしい。ちなみに「Ver.3」の秋名に雪降らせたのはコノ人ね。