Hitmakerのスタッフによるリレーコラムです


今では毎日触っているし、これなくしては仕事にならない生活を送っている私ですが、中学の頃に「もう二度とコンピュータには触らない!無くても困らないじゃん!」宣言をしたことがありました。

実は、当時としてはかなり早くからマイコンにふれる機会に恵まれた環境の中、育ちました。
兄の友達のJR100を筆頭になにやらアナログボリュームのいっぱいついた自作のマシン?しばらくして兄の購入したPC−8001等がありました。
でもどれも「ゲームをするための機械」と言う認識しかなく、色々なコンピュータ雑誌に載っているプログラムを、なんのことやら解らずに、ひたすら数字を打ち込んで(むちゃくちゃ時間かかって、数行(笑))仕上げは兄に任せる。そんなことをして遊んでいました。

そんなこんなで中学の頃、マイコンブームと低価格なマシンの普及で割といろんな所で目にするようになったポケットコンピュータ(ポケコン)が流行りました。
当然のように兄はそれ(PC1245)を購入していたし、中学の友達の中にもそれを所有する人が出てきました。
たかが3行ぐらいしか表示できないそのポケコンで、授業中に遊びだしたのです。

初めはみんな雑誌のプログラムを言われた通りに打ち込んで遊んでいました。しかし仮にもコンピュータです。プログラムさえ書ければ、自分で考えたゲームだって動く!!だんだんプログラム=BASICに皆は入り込んでいきました。ここに運命の分岐点が用意されていました。
「BASICがわからない・・・」そう、私にはBASICが分からなかったのです。
なのに、お世辞にも勉強が出来るとはいえない、テストの点数では私には到底及ばない友人(失礼!)がどんどんBASICを覚えていく・・・。一人また一人と・・・。
なにかものすごい不安と取り残された感、悔しさに苛まれました。「な、なぜ俺よりも勉強の出来ないやつがBASICを覚えることが出来るんだー!!」もちろん、悔しいのでBASICの勉強もしてはみました。
しかしそれは二度目の挫折をうむだけでした・・・。過去に一度BASICの勉強をしてつまずいていたのです。

もう逆切れです。「二度とコンピューターなんか触るかー!そんなもん無くたって生きていける!!」
また、程なくしてファミコンブーム到来!だれもコンピュータの話なんか持ち出さなくなりました。
(ファミリーBASICが出たときには(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル しましたが・・・)

それから数年、全くと言っていいほどコンピュータには触っていなかったのですが、兄の98互換機PC286V(CPUクロックが10MHz!!)でお絵かきソフト(花子?)があるよと言われ、触ってみるも「なんじゃこりゃ・・・」とても絵を描くような代物ではなく、またコンピュータから遠ざかっていきました。

転機が訪れたのは大学に入ってから。デザイン事務所で働く友人からMacintoshの存在を聞かされ、課題の提出物作製を兼ねて、そのデザイン事務所に潜り込みました。
そこで初めてPhotoshopに出会いました。課題内容は「自分の顔写真をコラージュ」。
まさに打ってつけのソフトでした。写真取り込み→まだ英語版しかない頃なので、内容のよく分からないフィルターを掛け、プリント! アナログ手作業では決して作ることの出来ない物がものの数十分で出来てしまう・・・。衝撃でした。と同時に思います。

「これはコンピュータじゃない、道具だ。やっと道具として俺にも使えるモノが出てきたんだ!!」と。

でも、この頃のMacは本体だけで80万以上もする高価な道具でした。当然買えるわけありません。
それからはどんどんMacに傾倒していき、バイトをして金を貯め、値段の下がってきたMacを購入!
それを事務所に持ち込んでバイトをして金を貯め、周辺機器を購入!それの繰り返しで大学の後半は過ぎていきました。

そんなこんなで、今では会社でMac番長を名乗り、管理をするまでに至りました。
でもね、道具としてのコンピュータじゃないと扱えないのは今でも変わりません。
私のことをかなりコンピュータに詳しい人と思って、なにやら専門用語とプログラミング用語で話してくる人も結構会社にいるんですが、実はよく分かっていません・・・(白状)

最近、8年ぶりに自分のMacを買い換えたんですが、すっかりOSが変わっちゃってて覚えることが多くて大変です。プログラムどころか道具の使い方ですらどんどん変わっていく(笑)
プログラムを覚えるのなんて夢のまた夢ですね。

んじゃ、次の人よろしく〜


<< BEFOR ISSUE | NEXT ISSUE >>

HHP
HHP
■伊藤 洋実(デザイナー)
ほいほい、今回はMac番長でデザイナーの通称“おーじ”さんでございます。でも彼の名字は「伊藤」です、「王子」ではないのでお間違えなく。
というか、社内では“おーじ”で通ってるので、彼について尋ねられても「ハテ?伊藤さん?」状態なのです(少なくても僕は)。ちなみにあだ名の由来はナイショだって。
最近はスーパーの見切り品にご執心の様子。「1980円の寿司パックが半額になってたりするとタマランのぉ〜」とのことだが、その気持ち、ちょっと解る気がする、るれー!

HHP