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遂に発売いたしました「Ollie King Original Soundtrack」。 、「Ollie King Original Soundtrack」のサウンドを手掛けました長沼 英樹の楽曲解説。 そして『Ollie King』プロデューサー菊池 正義、ディレクター横山 昌義に「Ollie King Original Soundtrack」を語って貰いました! ※マークとタイトルをクリックすると曲の一部が試聴できます。 |
Hideki Naganuma |
こんにちは。ご無沙汰しておりました、Hideki Naganumaです。 前回に引き続き、またまた自分の曲の宣伝かよと思われても、その通りなのですが、『Ollie King』のサントラ、正直出せると思っていなかったので、本当に嬉しい限りです。 アルバム前半がロック/パンク寄りの荒削りな音作り、後半はテクノ/ポップ寄りの比較的クリアーな音作りと、内容も様々な音楽ジャンルの要素がミックスされ、納得のいく、非常に密度の濃い曲が揃ったのではないかと思いますので、みなさんも是非聴いてみて下さい。 では、楽曲個別の本人解説、いってみます。 |
●「Boarder 70」 |
オープニングタイトル曲で、70年代のサーフィンミュージックとデジタルロックの融合を試みた作品。 参考資料として観た、西海岸スケボーのビデオの中で、70年代のフュ−ジョンやヒップホップが頻繁に使われていたのですが、なんとかその様なテイストをタイトル曲に使いたいと思い、レースゲーム向けにテンポを速くし、重いドラムを複数重ねて、ガンガンに歪ませてみました。 このようなギターインスト+デジロック的な曲は、自分にとって新境地だったかも知れません。 |
●「Let It Go」 |
夜のロンドンステージ曲という事で、ロンドンのクラブでかかっていそうな曲をイメージしました。 この曲は、ギターのカッティングが気持ちいい前半のブレークロッキンなアレンジから、ディレイのかかったシンセリフを繰り返す後半のテクノハウスっぽいアレンジへと変わるのですが、曲を作っている時に2通りのアレンジが出来てしまい、どっちのアレンジが良いかとても迷いまして、それなら二つをくっ付けてしまおうという事でこの様な形となりました。 余談ですが、このようなケースって結構あるんです。『JSRF』の「Funky Dealer」のアレンジとかもそうでした。 |
●「Too Fast」 |
悪ガキたちが聴いていてアドレナリンがドバドバ飛び出すような曲、という依頼を受けて制作しました。 アルバム中、一番スピード感のあるデジタルパンクといった所でしょうか。音的には生バンド+テクノな要素、という構成になっています。京都ステージ曲という事で、日本のバンドが演奏しているっぽい雰囲気というか、旋律を入れたかったのですが、、、難しかったですね。 自分の昔のデモテープからのギターのサンプルや、シャウトボイスなんかもフィーチャーされています。 |
●「Funk to the Top」 |
P-Funkにディストーションギターリフを絡め、がしかしベースとなるリズムはヒップホップとスクラッチ、といった感じの骨太ファンクです。ゲーム中ではセレクト画面等で使われているのですが、実質10秒程度しかかからないという事は初めから分かっていたのですが、10秒では楽曲としての価値が無く、もったいないなと思ったので、構成に展開を持たせて、3分オーバーの作品として仕上げました。 |
●「Brother Goes Away」 |
もともとは京都ステージ曲として、ギターバリバリのロックアレンジで作っていた曲を、タイトルとボーカルのみ残し、エレクトロファンクとして全面リアレンジしました。 トークボックスを通したボーカルがフィーチャーされているので、ダフトパンク?と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、自分的にこの曲は、私の原点の一人である、殿下ことプリンスの影響が一番色濃く出た作品ではないかと思います。プリンス好きな方が聴くと、思わずニヤリとしてしまう様な要素が入っているのではないかと思います。 英語の歌詞が聞き取れる方はお気づきかと思いますが、歌詞の内容は、ゲイカップルの別れ話!!!???とも解釈できますが、まぁユーモアという事で。 |
●「Teknopathetic (e-Pop'n'Disco 80's Mix)」 |
『JSRF』からのリミックストラックで、実はJSRF制作当時から今回の様な、ちょっと悲愴感漂うコード進行がある"歌もの"としてのアレンジのアイデアはあったのですが、JSRFというゲーム中の演出としては、もっとテンポが早く、ワンコードでリフの繰り返しからグルーヴを作っていく、DJ的なアレンジの方が合うのではないかと思い、断念していたバージョンを今回のリミックス企画で実現させました。 私の青春時代に影響を受けた80年代のユーロ/エレクトロポップをディスコビートに乗せてみました。 今回のバージョンがオリジナルで、『JSRF』で制作したバージョンがリミックス、と言った方がしっくり来るかも知れませんね。 |
●「The Concept of Love (The Concept of Passion Mix)」 |
『JSRF』のタイトルトラックのリミックス。リミックス名にある通り、情熱の概念を表現したミックス?となっております。 情熱と言えばスペインという事で、スパニッシュ、フラメンコ、ジプシー風な民族テイストに、テクノトランスを絡めてみました。 結果、こちらもちょっと哀愁感が漂い、歌謡曲好きの日本人向け??トラックとなったのではないでしょうか。 "アンダスタンッアンダスタンッ"というボーカルが強烈な印象を残す為、アレンジを変えてもあまり曲自体の印象は変わらなかったかなとも思います。自分の曲を自分でリミックス(別解釈)するというのは難しいものでした。 |
●「Boarder 70 (Somethin' Jazzy for Your Mind Mix)」 |
タイトル曲のリミックスです。あなたのマインドにジャジーな何かを??という事でコンセプトはズバリ、"アコースティック版オーリーサウンド"。 今まで自分が作ってきた、いわゆるジェットサウンドとかオーリーサウンドを、全てアコースティックな楽器構成にしたらどうなるか、一度試してみたいと思っていました。極力シンセサイザー等のデジタルな音を省いて、限りなく生楽器の音のみで構築されておりますが、これはこれで結構気持ちがいいかなと思います。 曲調は縦ノリの50年代ジャズに、途中からボサノヴァ/ジャズボッサのリズムやギターなんかが絡んできます。 女性のボイスが入るバース部分を新規に追加し、メロ部分のコード進行も変えてみましたので、1曲目と聴き比べてみて下さい。 |
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Masayoshi KIKUCHI |
こんにちは。 『Ollie King』 プロデューサーの菊池です。 みなさん、『Ollie King』 はもうプレイしてもらえました? 今日(5/12)、そのサントラが発売されたので一言。 みなさんはゲームのサントラというと、どんなイメージをもってますか? ちょっと乱暴な言い方をしてしまうと、いわゆるフツウのJ-POP、R&B、ROCK、JAZZなんかのCDと比して、頭の中で「ゲームのサントラ」って枠がなにかしらありません?好き嫌いとは別に。期待の質も含めて、カテゴライズされてるんじゃないかなぁ。 もしそうだとしたら、その枠を見事に打ち砕いてくれるのがこのサントラです。ホントに。 まずは長沼コメントの曲名をクリック。試聴してみてください。ぜひ。 |
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Masayoshi YOKOYAMA |
どうも!『Ollie King』ディレクターの横山です。 まず僕がどういう人かってのは・・・開発者インタビューで読んでください。端的に言うと、横浜在住・無趣味・多忙の独身27歳です。 そんな私が創ったゲーム、『Ollie King』。皆さんプレイされましたか?プレイした!って方も、してねぇよ!という方も居るかと思いますが、そんな事はお構いなしに『Ollie King』のサウンドトラックが発売しました!これを記念して、私も"コレを聴けっ!"しちゃいます。 既にご存知の方もいるかと思いますが、『Ollie King』の楽曲を手がけているのは、かの"Hideki Naganuma"です。そうジェットセットラジオシリーズの楽曲を全て手がけたアノ"Hideki Naganuma"です。実は私、セガに入社してから長沼氏とはもう5年のお付き合い・・・。苦楽を共にした長沼氏の集大成、それが今回の『Ollie King』サントラになるんじゃないかと思います。『Ollie King』で使用している楽曲も勿論良いのですが、それは長沼氏本人に説明してもらうとして、私が特にススメたいのは「Brother Goes Away」。実はこの曲、未発表の曲なのです。が、ハッキリ言ってスゴイ。テンポ、音圧、どれをとっても長沼色溢れる名曲なのです。ディレクターとしては「何でもっと早く聴かせなかったんだ、コノヤロー!」と言いたい。『Ollie King』サウンドトラックでは、そんな隠し球も聴けちゃいます。皆さんどうぞ、この興奮を味わってみてください。 |
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