Vol.08・女傑ヒシアマゾン

100選順位:21位
ヒシアマゾン
父:Theatrical
母:katies

私が競馬を始めて10数年。その中で、牝馬なのに牡馬と引けを取らない、むしろ牡馬以上に強かった馬といえば、1頭はエアグルーヴ。そしてもう1頭は、女傑ヒシアマゾンでしょう。
この馬の存在を知ったのは、阪神3歳牝馬Sを勝ったくらいからだっただろうか。3歳時、脚部に不安がありながらも、4戦2勝 連対率100%で阪神3歳牝馬Sを優勝し、最優秀3歳牝馬となる。
これだけの実績を出していれば、当然牝馬3冠を期待されるところだが、残念なことに彼女はマル外。当時はまだ、外国馬のクラシック出走は認められておらず、春はNZT4歳Sを目指すことになる。優勝。ここまでの通算成績 8戦5勝 連対率100%。
秋になり、さらに本格化。目指すは牝馬3冠で唯一外国馬出走が認められているエリザベス女王杯。
桜花賞馬でオグリキャップの初仔 オグリローマン、オークス馬チョウカイキャロル等、おもしろいメンバーが揃った。結果は僅差で優勝。ついに念願の女王の座を勝ち取る。
そして有馬記念。ファン投票は3冠馬ナリタブライアンとヒシアマゾンに集中した。
4歳牝馬の連対0という過去のデータをふっとばし、優勝こそブライアンに譲ったが、2着と旧4歳1,2フィニッシュ。敗れはしたものの、驚異の末脚で強かったブライアンをかなり脅かしたことが今でも目に焼き付いている。
5歳時は海外遠征の話があったが、故障となりやむなく帰国。復帰後、高松宮杯を5着に敗れ、ついに連対率100%記録が閉ざされてしまった。
これ以前の12戦8勝 連対率100%のGI馬は過去の牝馬では最強かもしれない。
その後復調し秋2勝した彼女は、JCへと進む。
2着ではあったが、ブライアンよりも先着となり、女傑ヒシアマゾン完成となる。
それ以降GI4戦して連対こそしなかったが、女傑ヒシアマゾンとして、競馬ファンには印象づけられたことだろう。

text:野 田(ディレクター)