| | ●助っ人続々参上 さて、作業が実際始まってみても、前に立ちふさがるのは「スケジュールの壁」 実質9ヶ月弱という開発期間は、たとえ軽量級のGBA用ゲームとしても結構キツキツなものなのです。しかし、このゲームでは幸運にも、助っ人の方々の、強力なサポートに恵まれることができました。まず、「こ、このままではどうやっても間に合わん!」というときに颯爽と現れたのが、助っ人第一号の斎藤智晴さんです。マニアの方には「カルドセプト」「ケツイ・絆地獄たち」「美食戦隊薔薇野郎」でおなじみのデザイナー&イラストレーターですね。 実は、私の以前からの飲み友達でもあり、「ふふふ、オレの出番のようだな」と、言ってもない適当なセリフを捏造されながら、以後アグレッシブに開発をサポートしてくれるようになりました。特に酒の席になると、毎度高歌放吟のあげくに酔いつぶれる愛らしいキャラクターで、すっかりドンヨリしていた現場の空気を明るくしてくれた、その功績は忘れることができません。 そして、プログラムのほうでも、以前「セガガガ」で、えらい好評を博したおまけシューティングゲーム「R-720」を主に作ってくれた壬生祐樹さんが加わり、暗雲立ち込めていたプロジェクトに、一筋の光が差しこみはじめたのでした。 助っ人はこの後も、スケジュールがヤバくなるたびに続々登場し、デザイナーでは斎藤さんの親友ということで、「ジノーグ」「ヴァルケン」、そして往年のマニアなら決して忘れられない「メガドライブFAN」の表紙を描かれた中井覚さん、さらに「スイッチ」「ソニック3」「ワールドアドバンスド大戦略」など輝かしい経歴をお持ちの横川聡さん。そして、プログラマーでも、最後のドタン場で、三條勝弘さんと松浦大人さんという強力コンビを得ることができました。 最近では3Dゲーム全盛のために、2Dゲームの作業ができるのは、かえって経験の長いベテランだけ、という事情もありますが、結果的にこのゲームでは、それぞれメインデザイナー、メインプログラマーを張れるだけの腕を持つ、野球で言えば四番打者ばかりを集めた、「ドリームチーム」が結成されたわけです。逆にいえば、ここでそれだけ持ち上げておいて、遊んでつまんなかったらそりゃ私の責任重大ということで、今からドキドキしてるわけですが… ●難易度について アクションゲームで、後まで悩まされるのが難易度についてです。 とくに今回は、「鉄腕アトム」を「マニア御用達のトレジャー」が…ということで、このゲームがその部分でどうなっているのか、ご心配な方もおられるかと思います。私などは最後の最後まで、毎日目覚めては布団の中で… 「ダメだ!こんな難しいゲーム、誰にもクリアできない!」 「ダメだ!こんな簡単なゲーム、誰にでもクリアされちまう!」 という、無限軌道SSXのような恐怖に悩まされたものですが、やはりここでも、トレジャーのみなさんの経験とカンに、大いに助けていただきました。このゲームには「かんたん」「むずかしい」の二つのモードがありますが、両方の難易度は天と地ほどにも違います。「かんたん」は必殺技がいきなり30発と、ほぼ使い放題です。旧型GBAの、ちょっと見づらい液晶画面でも、また、あまりゲームに慣れない低年齢のお子様にも、あまり無理せずクリア可能でしょう。 接待ゲームの定番「魂●羅30人プレイ」のように、つらい仕事帰りのストレス解消にも、ちょうどいい感じだと思います。いっぽう、「むずかしい」では、必殺技はなんと1/10の3発だけ。クリアでなくハイスコアを目的とされるマニアな方は、ぜひこの得点の高い「むずかしい」モードでいきなりプレイされることをオススメします。 各ステージ、各ブロックごとに、それぞれ細かくハイスコアとタイムを競えますので、普通にプレイしているとまったく見られない(マニュアルにも書いてない!)最大10倍のスコアボーナスも含め、ぜひ限界にチャレンジしてみてください。 ハイスコア集計画面で、かわいいウランちゃんが「はじめからプレイして、どこまでがんばれるかの記録よ」と言っている「はじめからプレイ」が、「実はノーミス一周しないと集計もされない」というあたりで、そのワイルドな雰囲気をお察しいただけるのでは、と思います。 次号へ続く・・・ | | | | | |