さんぺー
徒然なるままに、日々心に移りゆくヨシ・ナシ事を書きなぐってもらっちゃお!つーページであります。 しかも(できれば)毎週。ヒットメーカー社員はもちろん、たとえ社外でもちょっとでもH.に絡んだら無理矢理コラムを書いて貰うっていう無茶な方針。お楽しみに!

コラム
Vol.10/ふっく吹く山の
自己流的ラッパ講座その2


こんにちは。
前回に引き続いてさんペ−COLUMNを書かせていただく福山です。
今回は予告通り
「ふっく吹く山の自己流的ラッパ講座その2」をお送りします。

生徒A: 「先生!この間は途中で終わってしまいましたね。何の話でしたっけー?あ、そういえば3つだけのスイッチでなんであんなにいっぱい音が出るのか解説してくれるんでしたよね。」
吹く山: 「うーん、そうだったな。3つのピストンの押し方の組み合わせは全部で『8通り』しかないね。そこでキーボードのように1:1対応でしか音が鳴らなかったら8個の音でしか演奏できない事になってしまうんだ。
現在一般的である音楽は12音階(ドド#レレ#ミファ...)でつくられているので、1:1対応だとほとんどの曲が演奏不可能になってしまうね。」
補足5)【8通り】:●●●、●●○、●○○、○●○、○●●、○○●● ○●、○○○の8通り。(●は「押す」で○は「押さない」)ピッコロトランペットなどはピストンが4コあるので、=2×2×2×2=16で16通り。
生徒A: 「確かに...。」
吹く山: 「そこで、どうやって12音階を吹く事が出来るか説明したいのだが多少ややこしい、よって分かりやすい例で行こう。昔から流れてるCM『ラッパのマークの正○丸』って知ってるかね?
生徒A: 「ええもちろん。あの『パッパパパッパッパッパパパッパッ...』ですよね。
吹く山: 「そー。その通り。あの有名なフレーズは信号ラッパと呼ばれる、ピストンが全く存在しないラッパで演奏されているそうだぞ。」
補足6)【信号ラッパ】:軍隊で目覚まし目的で吹いたりするそうだが、現在のトランペットの元祖といわれている。
生徒A: 「へ〜っ。ピストンが1個もないのに〜!あの曲ってドとミとソの3つも音が出てますよね。」
補足7)音名でいうと厳密にはドミソではなくBb,D,F。トランペットもラッパも、運指上のドがBbである、いわゆるBb管が主流。
吹く山: 「実際吹奏する事の出来るのはその3つだけではないぞ。ドとソ、そのオクターブ上のドとミとソ、そのまたオクターブ上のド...、と、間の音をとばしながら音が出るんだ。
生徒A: 「ピストンもないのにどうやってそれらの音を吹きわけるのですか?」
吹く山: 「それはだなー、舌の位置を動かしていくんだよ。下の音から『TO』『TA』『TE』『TI』ッてな感じでな。
生徒A: 「ホントだ!変わりますね。」
吹く山: 「トランペットだと、それと似た事が『ピストンの押し方』ごとに出来るのだ。半音ずつずれていくけどね。
これをFig.1にしめすと...、

   ...ド|ド#|レ|レ#|ミ|ファ|ファ#|ソ|ソ#|ラ|ラ#|シ|ド....
○○○ーーードーーーーーーーーーーーーーーーーーーソーーーーーーーーーーードーーーー
○●○ーーーーーーーーーーーーーーーーーーファ#ーーーーーーーーーーーシーーーーーー
●○○ーーーーーーーーーーーーーーーファーーーーーーーーーーーーラ#ーーーーーーーー
●●○ーーーーーーーーーーーーーミーーーーーーーーーーーーーラーーーーーーーーーーー
○●●ーーーーーーーーーーレ#ーーーーーーーーーーーーソ#ーーーーーーーーーーーーー
●○●ーーーーーーーーレーーーーーーーーーーーーーソーーーーーーーーーーーーーーーー
●●●ーーーーード#ーーーーーーーーーーーファ#ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
○○●ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーラーーーーーーーーーーー

Fig.1 ピストンの押し方と出る音の関係
こんな風になる。大変分かりやすくなったのう!さあ実際に吹いてみよう」
生徒A: 「オッケー、楽勝っすよ!『ドーレーミーファードー♪』(演奏)
 あれー?、ドに戻っちゃって上にいかないー!!」
吹く山: 「はーっはっはっ!!初心者は必ず始めはそうなるんだな。なぜかというと○○○の行を横に見ていくと、ドの次はソ。その間のレミファはピストンを変えていくだけで一応吹けるのだが、ソでまた○○○に戻る時は上の音域の『舌の位置』になっていなければならない。いうなれば音域の『変わり目』になるのだ。今の例が『トランペットはみずもの』の確信に迫る事実なんだな。」
生徒A: 「へー?」
吹く山: 「今の例が示すように、『ソを吹こう』と思った時は○○○と押す事と同時に、ソを吹くのに必要な『舌の位置』があってはじめてソが出るんだ。」
生徒A: 「演奏中、そんな事まで考えて吹いてるんですか?」
吹く山: 「いいや、それは基礎練習で体が覚えていくんだ。最終的には『ソを吹こう』っていう『イメージ』が一番大切になるんだな。」
生徒A: 「なるほどー。」
吹く山: 「しかしイメージがばっちりでも、唇の疲労などでコントロールを誤り下のミやドが出たり、逆に勢い余って上のドが出たりするわけだ。」
生徒A: 「なるほどなんとなく分かりました。それにしてもとっても長〜い『言い訳』でしたね!な〜んか難しそう、やっぱ吹くのやめよーっかな...。」
吹く山: 「なに〜っ(怒)!!だから最近の若者は〜っ...。」

みなさんいかがだったでしょうか?

以上が『トランペット吹きなら誰でも知ってる』ラッパ講座でした。
長らくおつきあい戴いたこの講座ですがこれ以上進むとマニアックになってしまいますので、とりあえずこの辺で終了致します。
しかしご要望があれば......。

最近「H.」の「歌って踊れる」あの方がトランペットを演奏するとの情報を入手しました。
これは必聴ですね、みなさん!今度いっしょに「could be」のホーンセクション吹いてくださいM吉さん!!
(ホンセクが一人って、とっても寂しーんです...。)

ゲームミュージックで少しでもトランペットが認知される事を祈りつつ

2002.1.23 福山光晴



なるほど、なかなかためになる講座だね。
私は
唇の形で音程を変化させると思ってたよ。
違うのね。

ところでこの講座には、ラッパを吹くのに一番大事なことが抜けている。
どんなにうまく吹くかより大切なことだ。

それは...、









レコーディング前に
唇をカミソリで切らないこと
(↑クリック!)

これ大事。

Hiro