さんぺー
将来「ゲームサウンドクリエーターになりたい!」キミ達の頭上にさんぜんと輝く2トップ、Hiro師匠&光吉猛修が、プロの「サウンド職人」を養成すべく手取り足取り教えちゃう「さんぺーサウンドスクール」いよいよ開校です!

MUSIC
「さんぺーサウンドスクール」

〜サウンドクリエーターへの道〜




『アレンジ編』:第5回

台風、行ってしまいました。
被害に会われた方々にはお気の毒な限りですが、今年の台風の多さにはエルニーニョ現象が関連しているとか、していないとか、地球もどうなってしまうんだろう、と久々に真面目な始まりのアレンジ講座の5回目ですが、地球もさる事ながら舞台を宇宙へと移して活躍するバーチャロンの曲をお題にしてお送りしております。
ん〜、
ちょっと強引?

さて、前回はとうとう歌入れをしまして、コーラスや新たな構成を増やす等のアレンジを試みて見ました。今回は更にアレンジを進めるべく、実は、ここからがアレンジの一番大変で楽しい所なのですが、試行錯誤をしている姿を皆様に聞いて頂こうと思います!

そろそろ、仮で入れている楽器音を差し替えていこうと言う事で、とりあえず
リズム隊を変えてみようと思います。リズム隊とは言葉のイメージ通りドラムとベースですね。曲のリズムを司っている部分なので、良くこういう言い方をします。

バンドの善し悪しを見分ける一つの基準として、この「リズム隊」の良さでかなりレベルに差が出る事があるんです。リズム隊がしっかりしていると、上モノ、と呼ばれる、歌だったりキーボード、ギターの演奏が多少下手でも何となくまとまって聞こえたりする場合もあります。いや、ありました。

勿論逆もアリで、昔、Hiro師匠と私とサウンドの面々でプライベートでバンドを組んでいた(!)時期がありました。内容はオリジナルを演奏していたのですが、専門楽器以外のものでやろう、と言うコンセプトの中、師匠はドラム、そして、私がベースを担当すると言う無謀な組合せで行われた事があります。いわゆる、師匠と光吉のリズム隊の結成!と言う訳ですね。

私も師匠も思惑としてはそこそこ出来るんじゃないか、と言う思い込みの元、練習をし始めると、ドラムのフィルイン(通称”おかずを入れる”と言って、「タカドン!」とか「タカタカ」等リズムの合間に入れるフレーズの事)で必ず師匠が走った(テンポが急に早くなる)り、指の力がなくなってきてベースの音がどんどん小さくなったりと、酷いリズム隊となってしまった想い出が蘇ってきました。しかも、師匠、生ドラム叩くのが嬉しいらしく演奏が途中で止まった時に…

光吉「あれ、今のって4小節後にキメだった…」
師匠「じゃ、そこから、はい、いくぞー!ワン、ツー、スリーフォー!
ドンドンタンタカドタドドタドン!…

一同「
あ、まだ全然確認とかしてないのに師匠勝手に始めちゃった…。と、とりあえず演奏だ…」と、あたふたしながら必至に師匠のドラムに付いていくメンバー。

誰かが失敗の為、演奏中断。
光吉「そこって、やっぱりイントロに戻るのかな…」
師匠「じゃ、そこから、はい、いくぞー!ワン、ツー、スリーフォー!
ドンドンタンタカドタドドタドン!…

一同「
うお、又師匠勝手に叩き始めちゃったよ。やべ、弦切れた
と、あたふたしながら必至に師匠のドラムに付いていくメンバー。
誰かが失敗の為、演奏中断…

こんな事が繰り返されたのでした。
ちょっと作ってます。
リズム隊の話しはこれ位(意外に長くなってしまった…)にしておきましょう。

さあ、前置きが長くなりましたが、今回の曲に当てはめると、ドラムが今まで普通の生ドラム系だったのを、いわゆるシンセドラムと言いましょうか、業界では
909系の音色(と呼んでいるはず!)にして、今風のダンサブルなカラーを演出、そしてベースですが色々悩んだあげくテンポを下げた分のスピード感を補う意味も含めてチョッパーベース(ベースを指で弾く奏法)にしてみました。お聞き下さい。

SSS_arng_12.mp3(444k)

曲の印象として
タイトになったかな、と思いますが如何でしょうか?それと、このバージョンからボーカル、そしてコーラスをパソコンに取り込み、更に本格的な音質補正をしています。歌はやはり生ものですので音量のバラツキが出来てしまうんですが、それを補うコンプレッサーと言うエフェクターや、声の中で一番美味しい帯域を目立たす、逆に要らない成分を消すと言うイコライジングと言う作業を行う事で音の通りを更に良くする、と言う事もしています。

今風のドラム音にした所へ更に、最近のポップスの常套手段であります、
フレーズサンプリングを混ぜる、と言うテク(と言う程でもないんですが)を使ってみます。
通常の打ち込みのみのドラムですと、勿論中には生演奏と見まがうまでのものもありますが、どうしても生っぽい、荒々しい雰囲気を出すのが難しい部分があります。そこを実際の生ドラムを叩いた音(フレーズ)を混ぜる事により空気感、と言うか雑なんだけど人間くさいリズムにする事が出来ます。で、それをこんな感じで混ぜてみました。

SSS_arng_13.mp3(256k)

ちょっとまだバランスが悪いですが、大分印象が変わってきたのではないでしょうか?

この様な感じでリズムだけではなく、上モノの楽器に関しても最初の段階で使っていた仮の音色からどんどん差し替えていきます。次のバージョンはドラムの音に更にインパクトを付ける、と言う事とバッキングのピアノのフレーズを整理して全体のノリに合うようにしてみました。

SSS_arng_14.mp3(292k)

実は、コーラスの音量バランスなんかもとりつつやっていまして、残響を多めにして、コーラスを奥にする事でボーカルを殺さずしかも、広がりを与える、と言う効果も狙っています。

さて、とうとう来週はアレンジ編の最終回ですが、ここへ来て
大波乱が!?!
次回をお楽しみ下さい。!

さて、では恒例の、本日の一言!!今回は生声でお送りします。

OneSentence 00 .mp3

て事で今度バンドやる時は、そこの所、宜しくお願いしますね。
以上、アレンジ講座でしたー。
次回へ続く。

■校長より一言...。

そうなのだ! ドラムは楽しい!
体全体を使って演奏する楽器は他にないんじゃないのかな?
ストレス発散にもお勧めです。

でも、周りの人にストレスを与えてはいけません。

あ、アレンジの話もしなくちゃね。
えーと..、このままいい感じで。宜しく。

じゃ!

2002/17/ Hiro校長