Hitmakerのスタッフによるリレーコラムです


はじめまして。新人プログラマの平山と申します。
困ったことについにコラムが回ってきてしまいました。
しかも、「ヒラヤマン誕生秘話」とかいうなんだかよくわからないお題です。
困ったのでとりあえず普通に説明してみましょうか。

6月だったでしょうか。新人歓迎会というものがありました。
当然我々下っ端は何かしらの芸を披露せねばならないわけです。
しかしながら、なかなかいい案が思いつきません。下手に狙っても外した時が怖いですし、下ネタは安易な上に強固な反対がありました。私もイヤです。
こういうものは誰かが率先して決めないとどうにもならないものですが、幸い我々は諸我君というリーダーに恵まれました。
彼は劇をやろうと言い出しました。それもアクション物。私が拳法をやっているということから思いついたようです。私が主役というのにどうにも理不尽なものを感じましたが、他に良い案もなくとりあえず決定ということになりました。

諸我君による脚本が上がってきたのはそれから何日後だったでしょうか。いきなり名前が「ヒラヤマン」でした。
説明は以上ですが、せっかくなのでもう少し続けましょう。
私はめまいを覚えました。正直な話「この男正気か?」と思いました。悪漢に襲われる女性を拳法で救出するという素直な筋でしたが、サービス精神が十二分に発揮された結果女性は当然女装した男となり、悪漢にはジャミジャミ団というなんだかわからない名前が付き、独特のバカっぽさが漂う物に進化してしまったのです。「ヒラヤマン」もその一環だったのでしょう。恨みます。

練習が始まりました。夜近くの公園に行って通りすがりの人に怪しまれながらの練習でした。
こういうものは始める前は恥ずかしさもあってあまり気が進まないものですが、一旦始まってしまうと不思議な力が働いて楽しくなってしまうものです。これもその例に漏れず、回を重ねる度にスピードは上がり、アクションは余計に高度になり、よせばいいのに打撃のみならず投げ技まで加わって大変なことになってしまいました。

そして本番中にその事故は起こったのです。

ザコ役の高森君を大外刈りで倒した時、「ゴン」という音が響きました。
あお向けに倒れた彼は微笑みを浮かべたまま微動だにしません。
場の空気が凍りつきました。
「受身を取り損ねて後頭部を床に打ち付けてしまった」のだということに気づくまで、私は呆然と彼の顔を見つめていました。
あの瞬間、むしろあの時の彼の表情は今でも克明に思い出すことが出来ます。
それから後のことはあまり覚えていませんが、高森君が引きずられてゆくのを横目に劇を続行した記憶は残っています。
幸い大事はなかったのですが、もちろん皆気が気ではありませんでした。私も「ついに人を殺ってしまったか?」などと半ば本気で心配したほどです。物そのものはそこそこ受けたようなので良かったとは思いますが、やはり危ないことは良くないと思います。

さて、次は先ほどの被害者である高森君にお願いしようと思います。
お題は素直に「最近のオススメ」で。


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■平山 尚(プログラマー)
新人プログラマーの平山君。
まず学歴がすごい。だって京大大学院卒だもん(オレ専門中退)。それで、プログラマーとしての腕もハンパじゃないんだけど、陳式太極拳の名人でめちゃくちゃ強い・・・らしい。
太極拳って中国人が公園でのんびりやるやつじゃないの? あ、戦うのもあるんだ。陳式ってそうなんだ。
太極拳プログラマーという新たな流派を開拓すべく、←太極拳のポーズで日々「バーチャロン マーズ」のプログラミングをしている平山くんなのでした。
ごめん平山、いまのところ作った。

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