Hitmakerのスタッフによるリレーコラムです


一音ずつ愛おしむように演奏されるテナー・サキソフォンの豊かな音色が、ゆっくり部屋の空気と混じり合ってゆく。スピーカーからあふれ出る心地よいバラードの振動は、灯されたキャンドルの炎をうっとりとゆらめかせている。

何度目かのデートを終えた僕と彼女はその部屋のソファに並んで座り、数センチの距離を器用に保ったまま、ジャズの生み出す柔らかな波に身をゆだねていた。

やがて曲が進み、しっとりと聴かせるベーシストのソロ演奏に差し掛かったあたりで不意に触れる二人の指先。そして情熱的なドラムスにせきたてられ、抑えていた感情を一気に吐き出すサキソフォン奏者のソロが始まる頃になると、その指はお互いの気持ちを確かめているかのように、しっかりと絡まっていた。

いつしかみつめ合うふたり。そして彼女の大きな瞳がやさしく閉じられ、まるで見えない力に引き寄せられているかのように、自然と距離を縮めてゆく二人の....

以上が僕の体験した「エロいジャズで彼女をゲット」話です。
うそっぽいけどほんとの話です。

しかし、これはあくまで「ジャズ大好き」な僕が「エロジャズ・フィルター」を通して感じた人生のワン・ノートでしかなかったのです。
実際、彼女にこの時の事を聞いてみたところ「別に意識してなかったよ。なんか(音楽が)かかっていたかも。」とか言われちゃいました。それどころか「ソファに二人で並んで座ったのがいけなかった。ソファは危険だ!」といわれる始末です。
要するにあの時、ロマンチックなジャズ・バラードを聴きながら舞い上がっちゃっていたのは僕一人だけだったってわけ。
結局は「エロいジャズ」なんかより「エロいソファ」の方がよっぽど効果的って事です。そんなわけで最近はCD選ぶより、ソファにしゅしゅっとファブ○ーズ。

それでは次にリレーするのは僕の憧れる名プロデューサー、ヒットメーカーの誇るヒットメーカー菅野顕二さんです。

テーマは「きもちいぃ!」で、お客さんを喜ばせるかっこいいゲームの作り方から下ネタまで、幅広く勉強させていただきたいと思います。


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■諸我 豪(ディレクター)
またも新人、企画の諸我くん。「カワイイ系キャラで売り出したいんですよ!」という彼の身長は184cm。無理だってば!!
そんな彼の趣味はJAZZ鑑賞。ホントか〜!? と怪しんだら、次から次へとJAZZミュージシャンの名前が。なんだよ、ちょっとカッコイイな。
よくよく話を聞いたら“H.”のメンバーふっく福山とは学生時代の先輩後輩の間柄だったとか。世間って狭いなぁ。

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