さんぺー
徒然なるままに、日々心に移りゆくヨシ・ナシ事を書きなぐってもらっちゃお!つーページであります。 しかも(できれば)毎週。ヒットメーカー社員はもちろん、たとえ社外でもちょっとでもH.に絡んだら無理矢理コラムを書いて貰うっていう無茶な方針。お楽しみに!

コラム
井関由有子ファンクラブ第一号


■まえがき…

井関さん…

好きでした!!!!

キャー!コクちゃった、コクちゃった!
きっと、このページを見ている彼女も
顔を赤くして、見ている事はなくて、「あ〜、光吉さん、又、何いってんすか」みたいな感じでヤレヤレ感満載な表情を浮かべているでしょう。それが狙いです。

インパクト、あるっしょー。ふふ。まあ、でも
井関由有子ファンクラブ第一号(自称)を勝手に名乗っていましたらねー。

さて、そんな訳で、井関さん退社記念CDのコラムもとうとう残す所あと二人、そのラス前を私、光吉が飾らせて頂きます。

■序章 井関さんとの出会い・・・

私と井関さんとの出会いは、確か、2研(当時サウンドは2研の中にあった)の新人歓迎呑み会の席で、今年のサウンドの新人と言う事で顔見せかたがた、彼女の所へ行ったのが最初かな。その時の印象が「
岡田奈々(知ってます?)に似てる…」でした。酔っていたので、その事を彼女に言うと「岡田奈々?誰ですかそれー。私は良く”河合我聞”に似てるって言われますけど」と。確かに、それも似てる。そんな出会いでした。どんな出会いだ。

しかし、私にも彼女の「
裏番」的な部分を実体験する事が一度だけありました。
それは、天然ギター少女こと、小林さんが面接に来た時の事、その時に私も面接したのですが、実は凄く気に入ってしまいまして、2研(当時は)に是非、入れたい!小林さんを入れたい!と師匠に話しをしていた所に、井関さんが丁度いまして、しかも表情はいつもの可愛らしい笑顔ではなく、気持ち怒っている様にも見えました。そして一言。

ダメですよ!絶対に!千穂ちゃんは!私が紹介したんですから(3研です!)!

これ以上、私はアワワな感じで何も言えず、小林さんはそのまま3研へ配属、となった訳です。

まあ、今思えば、2研に入っていたらきっと、あの、壮大なプロジェクトに入っていたでしょうし、それが小林さんにとって良かったのかどうか、と考えると、井関さんは小林さんの将来を案じての訴えだったのかな、と、そう感じる今日このごろです。まるで、小林さんのお母さんみたいだね。サウンドの中でもそんな存在だったのかも。

■第1章 コンセプト・・・

で、早速そんな井関さんの為に記念のCDを作ると言う事になった訳ですが、その前に、このコラムがスタートする時の師匠のコメントで、井関さんへの曲をさんぺーで載せていくと言う企画を発動した時の光吉のコメント「やると思ってましたよー」は気持ちとしては「骨の髄までしゃぶるんですね、師匠、これは井関さんの記念の楽曲ですよ、まったくー」って意味の「やると思ってましたよー」ですよ!

まあ、元々このタイトスケジューラーな企画を発案したのでは誰でもない私なんですが、個人的な目論見はこの楽曲をさんぺーで公表する、って言うよりは、井関さんの退社記念っていう意味合いも勿論ですが、サウンドの人間達が共通のテーマを持って物作りするって、あんまりやらないし、今後、さんぺー、並びにH.をやっていくにあたって、こういう「共同作業」的なものをやっていきたいな、と言う布石的な意味を込めた企画だった訳です。

ですから、弁解する訳ではありませんが、この楽曲達はかなりラフな作りです。もともと公表を前提に作られてないですからね。そこの所を一つ汲んで頂ければと思っている次第です。

■第2章 驚愕の企画、決定の瞬間・・・

ここまで、書いてきた所で、この企画が立ち上がった経緯ですが、通常だったらみんなでお金を出して花束、とか、何か記念品をみたいな話しもあると思いますし、実際、井関さんが帰ったのを見計らって相談をした時に…

光吉「おーい、みんな、どうする?井関さんの記念の品の件なんだけど」
磯崎「ですよねー、いや、フクちゃんと二人で何かプレゼントしようかって行ってたんですけど・・・」
光吉「でも、彼女、そう言うのシメっぽくなるからいらないんで、って言ってたよ、送別会もただの呑み会って感じでって」
福山「でも、何かあげたいスよねー」
小林「うーん」

光吉「よし!じゃあサウンドらしく井関さんの為に、みんなで曲を作ろう!

光吉以外の一同「えーーーーーー!?!?!?!」

福山「マジすか!?(しかし表情は嬉しそう)」
磯崎「え?でも、もう来週末ですよね、時間、ないんじゃ…(次第に青ざめていく磯崎)」
光吉「確かに…。でもこれが一番彼女ビックリするし、喜ぶと思うよ」
福山「でも、それおもしろいかも!やってみようよ!ね、ザッキー(フクちゃんだけが使う磯崎のあだ名)」
磯崎「う、うん、でもホント、時間ないし、俺曲作った事ないし…(やや白目ムキ気味)」
光吉「じゃあさ、時間ないから曲作るにあたって条件つけよう。その方が作りやすいし」
小林「どんなんですかぁ?」

光吉「一応、みんなで作ったって言う部分は欲しいじゃん、だからさ、そうだなー、よし!テンポ120で自分のカラーが一番出ている曲を作るってのどう?」

一同「それって、結構難しいんじゃ…

光吉「でさ(みんなの話しを聞いてない)最後に俺がみんなの曲を1曲に繋げるんだよ、するとさ、テンポが変わらないから、みんなで超長いバラエティのある曲になるじゃん!」

一同「まあ、確かにそうですけど…

光吉「よし!そうと決まったら時間ないんで早速お願いします!師匠と小山には明日伝えるので(超強引)

そんな感じで、かなり人と台詞の対応はフィクション入ってますが、気持ち無理矢理(フクちゃんは乗り気だったけど)スタートした訳です。

■第3章 師匠、ダダをこねる…

で、次の日。
小山と師匠に事情を説明、とりあえず小山は仕事が忙しいんだけど何とかします、と言いながら何かを企んでいる様子でとりあえず承諾。ところが師匠が「えー!?テンポ120固定なのー?せめて135とかにしようよ、作りにくいからさー」と、ワガママ言って来たので、検討はしましたが、結局、どのテンポにしてもそれぞれの得意、不得意に繋がるだけなので、ここは発案者の強権発動で師匠にも「いえ、120でお願いします!」と無理矢理承諾してもらいました。そこからは師匠が今まで作り溜めたストックの展覧会。テンポ120の曲を捜す、捜す。これが師匠の底力の一つかと、普段見れない部分を垣間見た瞬間でした。

でも、実際、テンポ120で曲を作るのって、今回やってみてわかったんですが、以外と難しいものですね。逆に言うと、いかに我々はゲームに合わせる為に異常に早いテンポで曲を作っているか、と言う事を気づかされました。う〜ん、何か「さんぺーサウンドスクール」みたいになってきた。でも、ホントにそう思ったんです。きっとみんなも苦労したと思います。協力してくれありがとね、みんな。

■第4章 フクちゃんが「早い」ワケ…

さあ、そんな中、一番最初に仕上げて来たのが、この企画に一番乗り気だった
フクちゃんでした。おー優等生だねー。期限までまだ三日もあるのにー。で、内容は?「Happy Storm」。おお!タイトルまで作っちゃって。本当にやる気満々だったのねー。そこまで井関さんの事を思っていたとは…。フクちゃんをファンクラブの第2号にしてあげよう。え?これフクちゃんの曲じゃない?じゃ、誰よ?井関さんの曲?アレンジしたの?新曲作ってないの?

あ!!!きったねー!!!
やったもん勝ちじゃん!!!


きっと、まだ曲を上げていないみんなはそう思ったでしょう。
意外とフクちゃん、要領良し屋さんなんです。ああ見えて。(どう見えるんだ?)

でも、曲を聴くとなかなか良いアレンジで、しかも、DJ付き!これには驚きましたね。
話しを聞くとDJは光吉風だそうですが、うーん、そうかなぁ。しかし、これ聞いて更にやる気出てきました。こりゃ負けてられん、みたいな。

■第5章 なんだー、曲、かけんじゃん、磯崎…

次に上げてきたのが、
磯崎小林さんだったかな。
小林さんの曲はある程度予想通りのギター中心の明るい曲、これは小林さんそのものを表してるねー、っていう感じで、井関さんも喜ぶだろうと、なんか一人微笑ましく聞いている所へ、磯崎の曲を聞くと、「おー磯崎ってこういう感じの曲を作る人だったんだ」と関心する反面、一抹の不安が。

磯崎の曲、他の曲と繋げたとき上手く繋がってくれるかな・・・。

好きに作って良いと行ったとはいえ、これ程、バラエティに富むとは予想しておらず、企画発案者として、初めて先行きの見えない不安を抱えた瞬間でもありました。
しかし、磯崎の曲は凝ってる。おもしろいですよね、後日談で、あの逆再生の声って磯崎の声らしいじゃないですか。すっかり既存の音ネタから引っ張ってきたのかと思っていたので、うん、磯崎もやるじゃん!曲、作った事ないとかって
青ざめていたワリには、と見直してしまいました。

そしていよいよ、
師匠の曲が上がってきましたが、はっきり言って「長っ!」
5分は超えようか、と言う勢いで かなり力入ってきた物が出来上がってきました。内容に関しては来週の師匠のコラムで色々と明かされると思いますので、ここでは割愛させて頂きます。一つ思ったのは、この曲って井関さんの送別の臭いがしないんですけど、ただのストック?いやいや、そんなはずはないでしょう。それも含めて師匠のコラムに期待しましょう。

■第6章 問題の二人・・・

で、一番心配な2曲が出来上がって来ません。

誰だー!まだあげとらんのはー!
小山ー!それとー!あー!俺だー!すんません…。
ちょうどこの時「WCCF」の音声合成の最終調整でかなり天張っておりまして、自分で言い出しておきながら、自分が一番やぱいじゃん状態に陥っている矢先に、何と鼻の差で
小山が曲を仕上げて来ました。しかも、ヤラレター!って言う内容で。

確かに、テンポ120は守っているが、掟破りの3拍子!曲も何か物悲しく、そして暖かく井関さんを見送っている様ではありませんか。まるで細野晴臣さんが「
ガラスの林檎」の作曲と聞いて、「おー!細野さんってそう言う曲も書くんだー。全部暗い曲ばっかりだと思ってたのにー」と同じ位の衝撃を、小山の曲から受けてしまいました。でも何故か曲の音量が小さいぞ。これも含めて小山っぽいかな、と。勿論最終的なミックスで上げましたけど。

■第7章 えっ!?オレかよっ!…

さあ、残るは自分一人。
井関さんに送別記念CDを手渡す当日の朝、みんなは晴れ晴れとした表情で、おのおのの席に着いています。井関さんともこんな企画が水面下で立ち上がっていようとはお首にも出さずに、心の中では「うぷぷぷぷ」とタネを明かしたいのを抑えつつ、いつもの様に会話をしているではありませんか。う〜ん、良い風景だ。
自分の曲が仕上がっていないのを除けば。

■第8章 Making of "Jump Out To The World"…


自分は今回、どんな曲で彼女を送別してあげればいいかな、と思った時に、やはりカラーを出すって意味では
でしょう、と。そして詞の内容は、会社を辞めるって言う決断を下すまでに色々な葛藤があって、そして、決断してからも、沢山の不安があると思うけど、でもそんな勇気ある人生の選択をしたんだから、怖がらずに新しい道へ進んでいきなよ、って言う内容にしょうと。って言うか、ほぼ歌詞の内容そのままですね。で、楽曲的な挑戦としてアカペラ入れたい、と思ったわけです。こんな時間の無い時に。でもやりたかった。山下達郎ばりのをですね。

ちなみに、曲の中の「ジャンプ!」っていう掛け声は師匠と磯崎と私です。たまたま、会社に残ってた二人に声掛けました。だから男だけの暑苦しい「ジャンプ!」です。

■第9章 そして完成当日…

そして、CD完成の当日にそのミックスを終え、CDに焼いてホッと胸をなで下ろしている所へ、師匠から一言。

師匠「あのさ、今日の呑み会で井関にCD渡すじゃん」
光吉「あ、はい」
師匠「一応、その場で聞けた方が良くない」
光吉「え?まあ、そうですけどスピーカーとかどうします?」

その時、井関さんの席に一つのあるものが目に入りました。

「携帯MDプレイヤー用スピーカー」

光吉「じゃあ、それとなく井関さんに借りて呑み会に持っていきます」
師匠「おっ」

しばらくして…

光吉「井関さんさあ、この携帯スピーカーってずっと気になってたんだけど」
井関「あ、これですか、小山さんからもらったんですよ」
光吉「あ、そうなんだ、どれくらい聞こえるのかねー、ちょっと試しに借りても良い?」
井関「もう全然いいですよ、っていうかあげます」
光吉「(いや、借りるだけでいいんだけど…)あ、そう、あ、じゃもらっちゃおっかなー」

とりあえず、モノはゲット成功。
借りるだけが、我が物となってしまったスピーカーをそそくさとリュックにしまい込んでいざ呑み会の場へ。

しかし、実際はあのスピーカーの音量があまりにも小さくて、MDにコピーしてきたものをプレーヤーから直接ヘッドフォンで彼女に聞いてもらいました。頂いたスピーカーは大切に我が家にしまってあります。何でも
フロッピーとか近くに置くとデータ消える可能性があるとかでかなり奥底に厳重管理してます。

■最終章 あとがき…

そんなこんなで、井関さん送別記念CDはこうして出来上がった訳です。
長くなってしまいましたが、ここまで読んでくれた皆様、お疲れ様でした。そしてありがとうございました。

次にこういう事が起きるのは果たしていつになる事でしょう。出来れば人が辞める時じゃない機会に又、やりたいですね。

それでは、私の曲を聞きながら、師匠にバトンタッチ!

Jump Out To The World (MP3/2.6M) >>

2002/10/16 光吉 猛修